2025.04.28
経理部が取り組むノー残業デーについてうかがいました
「管理部門は残業が多い」―――そのような印象を持たれがちななか、多忙な経理部では、本年度よりノー残業デーへの取り組みを開始しています。実際の現場で、どのようなアプローチで取り組んでいるのか、経理部のB Corp担当者へお聞きしました。
ホワイトな部署にしたい
———まず、活動を始められたきっかけを教えてください。きっかけ自体は、管理部門がそもそも、残業が多いという。経理部も漏れなく多かったのですが、「働き方改革」とかがある中で、ホワイトな部署にしたいよね、ということで、まずはノー残業デーというものを作りました。
———実際の活動を始められたのは、いつ頃からですか?
今年に入って、1月からやっていこうとはなっていたのですが、1月2月は決算という兼ね合いもあり、スタートは3月から、というところで着地しました。
———取り組み初月の結果はどうなったのでしょうか。
ノー残業デー自体は、月に8日、実施することができました。ただ、その分を他の曜日に少し上乗せで残業していたので、1ヵ月の残業時間を合計すると、前月よりも少しだけマイナスになった、というぐらいでした。
切り上げるところは切り上げる、という意識がついた
———お忙しいなか、月に8日もノー残業が実現できるのは、すごいですね。ええ。まぁ、本当に、業務を“ずらしてずらして”という感じですね。
———まとまった時間がかかる業務をパズルのようにずらして、定時内におさめる、といったようなアプローチになるのでしょうか?
そうですね…「今日は帰れそうだな」となったら、もうとりあえず一旦そこで切り上げて、他の曜日でできるようにしていく、という感じですね。
———なるほど。「ちょっとの残業が何日も続く」といったことも、ありがちですものね。
元々は、30分1時間ぐらいは残ってやる、みたいなことが結構ちょこちょこあったのですが、切り上げるところは切り上げる、という。そのような意識は、部署内ではついたかなと思います。
とはいえ、ノー残業デーを設置した“だけ”で残業が減るというわけでもありませんので、同時に業務改善というのも必要となってきます。できるところを見つけてやっていくということも、部署内で1つ掲げていますね。
———1ヵ月全体での業務時間をギュッと短くしていくということですね。
そうですね。今やっている業務を、なんとか効率化できるように、システム化を(社内システムの担当部署へ)お願いしたりとか。
e-taxやel-tax、請求書のおまとめサービスなどを利用して、丸一日かかっていた業務が1時間に
パートさんの業務でも、直接払い込みに行くという業務が多かったので、それも、e-taxやel-tax、請求書のおまとめサービスなどを使って、銀行などへ直接行かなくても払えるようにするですとか、そういったこともしています。———以前耳にした話ですが、おまとめすることによって、作業時間が丸一日から約1時間に減ったとか。
そうですね。

———払い込みって、結構時間がかかるものだったのですね。
たとえば税金の場合、店舗ごとにかかるものもあるのですが、店舗がある県によって「この銀行で払えます」というのも違ってくるので。いったんそれを振り分けて、それから銀行ごとに支払いに行く、という流れなので…店舗数も膨大なので、それだけで丸一日かかってしまう、みたいな感じでした。
———デジタル化がよりうまくはまった実例、という感じがしますね。
まぁちょっと行うのが遅かった感はありますけど、これを機に、できてよかったなという感じです。
———経理部さんの業務改善において、他社と比べて特徴的な点はありますか?
どうでしょうね…店舗数が多い、というのはあるかもしれませんね。
———つまり、1店舗あたりでかかっている時間を少し縮めるだけでも、全店舗で見ると大きな削減になる、というような。
そうですね。そんな感じです。
ノー残業デーの実施が目的ではなくて、残業時間を減らすのが目的
———ノー残業デーを実現するにあたって、ハードルになったことはありますか?ハードルですか?そうですね…月末と月初は必然的に業務が立て込むので、どこにノー残業デーを持ってくるかというともう、月半ばになってくるんですけども。できるだけ、月初や月末でも作れるように、というところは、ハードルですね。
———そのハードルを越えられそうな工夫や、何か光が見えるようなものはありますか?
今現在は、少し難しいですね。マンパワーの面では新しい方が入られたので、業務を覚えてくださったら業務量が分散されて、一人当たりの負担が減っていくとは思います。ただ、今のままのやり方では、業務量はこれからもどんどん増えていくので。今ある業務をどれだけ効率化して、今後新しく業務が増えた時にどれだけ残業を増やさないか、ということは常に考えています。今ある業務の効率化には、重きを置いてやっていかなければいけないと思います。
———改めて、ノー残業は、やろうとしても結局なぁなぁになってしまって実現できない、という話もよく聞くので、実行できていることがすごいと思っています。
ありがとうございます。ただ、ノー残業デーの実施が目的ではなくて、残業時間を減らすのが目的なので。1年間通してどうだったのかをこれからしっかりとみて、また改善につなげていきたいと思います。
エコリングの働き方改革と持続可能な成長への取り組み
「ノー残業デーの実施が目的ではなく、残業時間を減らすのが目的」という言葉には、形式よりも本質を追求する経理部の姿勢が表れています。SDGsの目標8「働きがいも経済成長も」の実現は、このような地道な努力の積み重ねによってこそ達成されるものでしょう。管理部門という企業の縁の下の力持ちの立場から変革を進めることは、組織全体の持続可能性にも大きく貢献します。今回紹介した事例がきっかけとなり、同様の課題に取り組む他企業や団体との知見共有、あるいは革新的なソリューション提供企業との協働が生まれることを願っています。働き方改革とSDGsの両立に関心をお持ちの方は、ぜひ当社までご連絡ください。関連ニュースはこちら
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